ブラウザで表示
A&D DiscoverPrecisionLogo-RGB

【計量豆知識 第4回】「侮りがたし抵抗器」と「お願いだからアースを繋いで!」

2022/10/6(木)

   様

 

こんにちは。
計測・計量・医療・健康機器メーカーの株式会社エー・アンド・デイです。

image1-Sep-28-2022-04-20-39-64-AM

メールマガジン第230号は、A&Dのホームページに掲載している計量豆知識の第4回ご紹介として、「侮りがたし抵抗器」と「お願いだからアースを繋いで!」をお知らせいたします。

     

「侮りがたし抵抗器」、「お願いだからアースを繋いで!」

詳しくはこちら
     

侮りがたし抵抗器

 

少し前の話ですが、「A&Dのロードセルとインジケータで新しく計量器を作ったら、1時間に何十目も指示値がズレる」と、お客さまから苦情を受けてしまいました。

 

さて、原因はどのようなことだったのでしょうか?

 

お客さまから苦情を受けたA&Dの技術スタッフは、丹念に現場を調査し、ネジや圧着端子のゆるみ、プリント基板の汚れ、ロードセルケーブルや端子台の材質、シールド配線の有無など、考えられること全てをチェックしました。

しかし、どうしても原因がつかめません。

そこで、お客さまが製作された和算箱の内部のプリント基板をお借りして、会社に持ち帰ることにしました。

和算箱とは、複数のロードセルを接続するはかりにおいて、各ロードセルの配線を接続するための機器のことです。

 

お借りしたプリント基板を確認したところ、どこかに問題があるようには見えませんでした。

しかし念のためと思い、抵抗のリード線に磁石を近づけたところ、磁石が「カチッ!」と勢いよく吸い付けられました。ということは、この抵抗のリード線は鉄を含んでいる可能性が高いのです。

 

鉄は銅との間に熱起電力の起きやすい素材なので、微小電圧を扱う回路には向きません。

今回のことでは、この抵抗器のリード線が熱電対として働き、わずかなボード上の温度不均衡を電圧に変換してインジケータに出力していたことがわかりました。

その後、この抵抗器は耐熱性や耐衝撃性などを重視したもので、リード線には鉄を芯にした銅線を使用した特殊なものであることが判明し、お客さまに熱起電力の少ない抵抗器を紹介することで解決しました。

たかが抵抗器などと甘く見ないほうがよいということを痛感した出来事でした。

詳しくはこちら

このお話を、身近な素材で実験して再現してみました。

写真はゼムクリップに銅線を巻き付けて、ライターで炙って見たものです。ゼムクリップは鉄にクロームなどのメッキが施された素材です。

image2-Sep-28-2022-04-20-39-91-AM

デジタルマルチメーターには2.9mVと表示されています。

これは一般的なロードセルのフルスケール出力に匹敵する電圧ですので、1000gのはかりであれば、1000gの誤差が生じるということです。

炎の温度が1000℃くらいと考えれば、1℃あたり1gほどズレる計算になります。

このように、鉄を含む金属はロードセルの出力などの微小電圧測定では、大きな誤差要因になるため注意が必要です。

     

お願いだからアースを繋いで!

 

突然ですが、ムンク画伯の「叫び」という名画をご存じだと思います。

私はこの絵を見ると、接地アダプタを思い出してしまいます。だって、顔が似ていると思いませんか?

実は私、「こんなもの捨ててしまえ!」と思うほど接地アダプタが嫌いなのです。それは、とんでもないトラブルメーカーだからです。

image3-Sep-28-2022-04-20-40-21-AM

接地アダプタは、アースのある3極のACプラグを、アースのない2極のコンセントに差し込むときに使うものです。接地アダプタからひょろっと出た緑や黄色の線はアース線で、別途アース(大地)に接続するためにあります。

ところが、私は接地アダプタのアース線を正しくアース(大地)に接続して使っている状態を、ほとんど見たことがありません。

 

3極のACプラグを使用している製品は、感電防止などの安全性やノイズ耐性強化のためにアース(大地)接続を行うことで、本来の安全性と信頼性を発揮できるように設計されています。

そのため、アース接続を怠ると、感電や誤動作の原因になることがあるのです。

 

以前、東南アジアのお客さまから「何度交換してもウェイングインジケータがすぐ壊れる。この前なんか交換して2週間で壊れた!」とのお話があり、調査をすることになりました。

しかし、すぐ壊れると言われたインジケータはA&Dのロングセラー製品で、めったに壊れるものではありません。

このような場合、現場に特有の原因があることが多いものです。ですが、海外の現場なので、すぐに伺うわけにはいきません。そこで取り急ぎ、接続図を送っていただくことにしました。

 

その図面を詳細に確認しているうちに「電源コード 2P」との記述を発見しました。「電源コード2P」は、AC電源の2極しか接続せず、アース線は配線しないということです。

それを毎日のように激しいスコールが降って、雷も発生する気候条件の地域で使っているのです。

「何てことを!」

 

アースなしの状態で落雷や強力な静電気によるノイズ電圧を受けると、行き場を失ったノイズ電圧がウェイングインジケータ内部の電子回路に侵入して破壊したり、その先に接続されている機器が破壊されたりといった不具合が生じやすくなります。

だから私は、接地アダプタでアースが切断されてしまっている現場を訪問すると、あの絵のように叫びたい気持ちになるのです。

詳しくはこちら
     

A&Dのメールマガジンでは、数回に分けて計量豆知識をお知らせしてまいります。

次回は11月中旬のメルマガで「電源ヒューズが切れる」をお知らせする予定です。

     

◆ メディア掲載情報 ◆

 

A&Dの防塵・防水台はかり「FG-CWPシリーズ」と熱中症指数計「AD-5690(Type A みはりん坊ジュニア)」の記事が、ものづくり応援マガジン『メカトロニクス』10月号に掲載されました。

 

・発行元:Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社

・創刊:1976年

・発行部数:35,000部

 

掲載記事はこちら

https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/media/2022/202210_mdn.pdf

 

製品全体に水をかけて洗浄可能な防塵・防水台はかり「FG-CWPシリーズ」

  • 防塵・防水等級 IP67
    粉末・粉塵等の粒子状物質や水の侵入を防ぎます。
  • オールステンレス構造
    表示部、計量皿、本体フレーム、センサ部 オールSUS仕様
  • アルコール洗浄可能(表示部・フレーム・計量皿等)
  • 高速応答
    1秒の高速測定
    高速で効率的な計量により、生産性が向上しオペレーターのストレスを大幅に低減
  • 感覚的に分かりやすい3色3段のコンパレータライト
    パック詰め作業(少ない・ちょうどよい・多い)やランク分け作業の効率アップ
image4-Sep-28-2022-04-20-40-03-AM

詳しくはこちら

 

ご家庭や日常生活における熱中症の危険性を知るために、熱中症指数計「AD-5690(Type A みはりん坊ジュニア)」

  • 電池を入れるだけ、設定のいらない自動アラーム
  • 熱中症指数(WBGT)を数値で表示
  • 熱中症指数(WBGT)の危険レベルを表示(注意、警戒、厳重警戒、危険 の4つのレベル表示)
  • 熱中症指数(WBGT)のアラームをブザーでお知らせ
image6-Sep-28-2022-04-20-40-92-AM
image5-Sep-28-2022-04-20-40-82-AM

詳しくはこちら

     

お見積りや納期につきましては、お取り引きのある代理店にお問い合わせください。代理店がご不明の場合は、お近くのA&Dまでお問い合わせ願います。

https://www.aandd.co.jp/support/contactus.html

     

エー・アンド・デイから毎月3~4回、メールマガジンを発行いたします。

医療・健康機器から計測・計量機器、試験機まで、弊社の“はかる”幅広いジャンルのお役立ち情報にご期待ください。

メルマガバックナンバー

 

A&Dのウェブサイトにてメルマガのバックナンバーを掲載しております。弊社の“はかる”幅広いジャンルのお役立ち情報にご期待ください。

 

 

今すぐみる >

「WAY」バックナンバー

 

A&D情報マガジン『WAY(ウェイ)』は、当社製品がユーザー様にどのようにお役に立てているかについて、インタビューを通じてお知らせする情報マガジンです。

 

今すぐみる >

Facebook
Twitter
YouTube

株式会社エー・アンド・デイ 〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-23-14

配信設定を変更

このメールマガジンは、いままで弊社に資料請求していただいた方や、展示会で弊社ブースにお立ち寄りいただいた方にお送りしております。
今後の送信が不要な場合や、お客様情報に変更がございましたら、お手数ですが上記リンクより解除、変更をお願いいたします。

免責事項 | 個人情報の取り扱いについて | お問い合わせ