静電気対策には、一般的に3つの方法が考えられます。
(1)周囲の湿度を上げる(45%RH以上)
(2)帯電物を金属で囲む(シールド)
(3)除電器(イオナイザー)で除電
精密な分析などに用いられる電子天びんは極めて感度が高いため、試料に帯電した静電気が計量の誤差要因となります。この誤差を生じさせないために、イオンを発生させて試料の電荷を中和させる除電器(イオナイザー)を搭載した電子天びんがあります。
除電器(イオナイザー)は、大きく分けて交流式と直流式の2つの駆動方式があります。交流式はイオンの生成量が少ないためファンなどを使用しても除電に時間がかかりやすく、また、直流式は風もなくイオンを遠くに飛ばすことができ除電時間を短縮できますが、非効率な部分も併せ持っています。
そこで、A&Dは直流式をさらに改善してプラスイオンとマイナスイオンを交互にパルス周期で駆動し除電の高速化を実現し、さらに派生するイオンバランスの問題を直流式で緩和させ、この2つを制御することにより、イオンバランスが良く、さらにスピーディな除電ができる無風イオナイザー「Quick IonⓇ」を発明しました。
- 特許番号 :特許第7101239号
- 発行日 :令和4年7月14日(2022.7.14)
- 発明の名称:電子天びん、および電子天びんの除電方法
- 特許権者 :株式会社エー・アンド・デイ
- 発明者 :館野 裕昭、長根 吉一(株式会社エー・アンド・デイ 第1設計開発本部)
【本特許技術を搭載した電子天びん GX-AEシリーズ(A&D Apollo)】